1. EP.006

    そうだったのかブロックチェーン EP.006 | ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の「役割と価値」のあり方とは?

    前回までの抽象的なトークン論・トラスト論を受けて、ここからは視聴者にも馴染みのある具体のチェーン論へ。第6回のテーマはビットコインとイーサリアム。まず「ブロックチェーンを使ってビットコインを作った」のではなく「ビットコインを作るためにブロックチェーンという技術スタックが生まれた」という出発点の整理から始まる。ビットコインのコアはUTXO——口座残高を管理せず『使える権利の単語カード』を積み上げるステートレス設計で、2009年以来一度も停止もロールバックもしていない堅牢さこそが時価総額最大の理由だと内田は説く。一方で「決済専用なのに決済に使われていない」「保有者が増えない」「半減期とプルーフオブワークの電力代が実体経済の成長とズレ始めている」「AIデータセンターとの電力の奪い合い」など、貨幣としてのBTCの将来には論点が山積みであることも整理する。後半はイーサリアムへ。ETHは価値の保存手段ではなく『スマートコントラクトの利用料(ガス代)を払うためのネイティブトークン』であり、BTCとは見ているレイヤーがそもそも違う——プルーフオブワークからプルーフオブステイクへの移行で何を得て何を捨てたか、デジタルゴールド論の落とし穴まで踏み込み、「ビットコインとそれ以外」という業界地図を描き直す回。

  2. EP.005

    そうだったのかブロックチェーン EP.005 【良いチェーン・悪いチェーン】トラスト(信頼)とオラクル問題

    「良いチェーン悪いチェーン」第2弾。今回のテーマは「トラスト」。前回までで触れた『プロトコル』『分散』『コンポーザビリティ』に続き、ブロックチェーン業界で最もふわっと使われがちな単語「トラスト」を解きほぐす回。ブロックチェーンの肝は『改ざん不能性』ではなく『相互検証可能性』であること——取引が公開されている代わりに、誰も中央権力で過去を書き換えられないという仕組みが、参加者の合理性によって維持されている、という整理から始まる。続いてネイティブトークンと独自トークン(ERC-20の自作トークン等)を分け、独自トークンのトラストはチェーンのトラストに二重に依存することを指摘。さらにオラクル問題——オフチェーンの世界とオンチェーンをつなぐ装置の信頼性——を正面から扱い、ビットコインがステートレス設計でオラクル問題を回避している唯一のチェーンであること、独自トークン中心の世界では『オラクル問題に対する合意』が事実上のトラストの土台になることを論じる。後半はイーサがフィアットと交換可能になった瞬間に「トークン的でなくなる」というパラドックスから、トークン経済が法定通貨経済への反逆として何を残せるのかを議論。

  3. EP.004

    そうだったのかブロックチェーン EP.004 拡張性とスケーラビリティ

    第1〜3回で扱った「トークンとは何か」「マネーとトークン」「生産性とコミュニティ」を踏まえ、今回からは具体のチェーン論に踏み込む。「良いチェーン悪いチェーン」第1弾として、P2P / コンセンサス / ハッシュという土台から、バーチャルマシン、スマートコントラクト、トークン、コミュニティへと積み上がるブロックチェーンのレイヤー構造を整理。「プロトコル」「SDK」「ライブラリ」が混同されがちな業界の言葉を解きほぐし、拡張性と柔軟性を分けて考えること、開発エコシステムの厚みが事業者にとってのチェーン選択ではプロトコル性能以上に効くことを論じる。後半は通称『ブロックチェーン・トリレンマ』(スケーラビリティ × 分散性 × セキュリティ) に対する酒井からの反論——「分散性はアビリティではなくディレクション(設計思想)であり、そもそも他の2つと並列に置けない」——を起点に、パブリック / プライベートの境界やノード・開発者・運営責任など「何を分散させるか」を議論する。

  4. EP.003

    そうだったのかブロックチェーン EP.003 コミュニティにおけるトークンの生産性とは

    第1〜2回で扱った「トークンとは何か」「市場と流動性、マネーとトークン」を踏まえ、酒井がかつて運営していたグルメアプリ『SARAH』と独自ブロックチェーン『ONIGIRIチェーン』を題材に、フィアットマネーでは測れないローカルな価値をどうトークンで循環させるかを実例で語る。UMEトークンによる感謝の譲渡、口コミデータを 50〜100 年残す未来志向、GDP では測れない「質的な生産性」と「コミュニティの充実」——量的拡大とは別軸の「成長」をデザインする視点を提示し、第4回の技術論への橋渡しとする。

  5. EP.002

    そうだったのかブロックチェーン EP.002 市場と流動性、マネーとトークン

    「そうだったのかブロックチェーン」の本編第2回。前回の『トークンとは何か』を受けて、今回はトークンが『市場』と出会うと何が起きるのかを掘り下げます。30人の教室から500人の教室へ——第三者の観測によって、相対取引の主観的な価格が集団の客観的な合意に転化する瞬間、そこに流動性が生まれるメカニズムを解説。さらに明日・明後日という時間軸が加わると市場はどう厚みを増すのか、マネーとトークンは『あげる・もらう』という動詞でどう使い分けられるのか、譲渡可能性という補助線から整理します。次回はトークンとコミュニティの関係へ。

  6. EP.001

    そうだったのかブロックチェーン EP.001 トークンとは?

    「そうだったのかブロックチェーン」の本編第1回。テーマは『トークンとは何か』。ウォレットに入るデータとしてのトークンを、『持つ』『あげる』『もらう』という基本動作から丁寧に解きほぐし、なぜそこに価値が生じるのか、誰がその価値を維持するのかまで掘り下げます。小学校の勲章を例に、発行・流通・設計・インセンティブ・トークノミクスまで、ブロックチェーンを語る上で最初に押さえておきたい基礎を整理。次回はトークンの価値に周囲がどう影響するかへ展開予定。

  7. EP.000

    そうだったのかブロックチェーン EP.000 自己紹介

    番組の第0回。日本銀行で30年金融規制とリスク管理の実務に携わった内田善彦(周南公立大学情報科学部教授)と、グルメアプリ SARAH を学生時代に創業し独自ブロックチェーン「ONIGIRI Chain」を構築した酒井勇也のホスト自己紹介回。二人がブロックチェーンと出会ったそれぞれの経緯と、番組で扱っていくテーマの方向性について語ります。次回は「トークンとインセンティブ」をテーマに本編がスタート