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第一回そうだったのかブロックチェーン公開収録を行いました。

2026年6月19日、ポッドキャスト「そうだったのかブロックチェーン」初の公開収録を開催しました。会場は四谷三丁目駅から徒歩0分の Studio Bar Mo4ca です。特設配信ブースを設け、公開形式での収録を行いました。

急な告知にもかかわらず、当日は約20名ほどの方々が来場してくれました。本レポートでは、当日のトーク内容を要約して紹介します。

mo4caのブース

番組を始めた背景

酒井は、グルメアプリ「SARAH」のファウンダーとしてWeb2からWeb3へ参入した人物です。「トークンを使えば、今までできなかったことができる」と考えて業界に入りましたが、実際に目にしたのは短期的・投機的な使われ方が中心でした。「このままではトークン技術も評価を落としかねない。本来は別の使い方があるはずだ」という問題意識が、番組開始の出発点になりました。

一方の内田は基本的に、「ブロックチェーンといえばビットコイン」という立場をとっています。2026年に入って広がった“オンチェーンファイナンス”をめぐる「トークンを使えば全てうまくいく」という風潮に対し、「実際はそれほど単純ではない」という認識を持っていました。こうした問題意識から、二人は“トークンとは何か”を一度の収録で終わらせず、継続的に掘り下げる方針を決めました。

番組は、二人をパーソナリティに迎えて大津賀氏が企画したものです。企画段階の打ち合わせで酒井が述べた「トークンとは何か、から始めなければならない」という発言が契機となり、第1回のテーマを“トークンとは何か”に設定しました。

番組が大切にしている姿勢

会場からは、「ブロックチェーン業界はなぜ難解な説明が多いのか」という質問が挙がりました。これに対し酒井は、「難しくない内容を難しそうに語り、参入障壁をつくりがちな業界だ」と指摘しました。

内田は、番組の姿勢について次のように述べています。「難しいことを“分かりやすく”伝えることはできても、“簡単に”することはできない。簡単にしようとすると、誤りや省略が生じ、誤解を招く」。説明は長くなるものの、聞き終えれば理解にたどり着く構成を重視しています。

こうした姿勢は、収録の準備にも表れています。

トーク自体はある程度アドリブを大切にしていますが、事前にA4版数枚の構成ノートを作成したのち、酒井と内田が2時間以上議論しています。加えて、酒井は番組開始以降、読書量が大幅に増え、毎週Kindleで2〜3冊を読み込み、マルクスやマンキュー経済学などを読み直しています。

公式サイトには各エピソードのキーワード・用語集・参考文献リストも整備されており、『21世紀の資本』『マンキュー経済学』、ルソー『社会契約論』、宇沢弘文の著作などが挙げられています。ブロックチェーンを技術の枠にとどめず、社会的なツールとして捉えています。

今後のロードマップ(全4部構成)

後半では、番組全体のロードマップを初めて公開しました。番組は大きく4部構成で進行します。

第1部「トークンとは何か」(〜第11回想定) は、トークンをそもそも何か——あげる・もらう・使う・受け取る——というところから問い直すパートです。ビットコインやイーサリアム、アバランチといった実際のチェーンを紹介しつつ、後半は無裁定や一物一価、マルクスや宇沢を手がかりに「トークンは、マネー以外の何かをやり取りしているのでは?」へと踏み込んでいきます。

第2部「既存金融とブロックチェーンの交差点」(第12〜17回想定) のキーワードは、内田によれば“オンチェーンファイナンスをぶっ飛ばせ”。トークンが今はまだうまく扱えない「譲渡」と「与信」という2つの壁、信用状や船荷証券といった貿易金融の実務、そして「ステーブルコインは本当にPMFしているのか?」、「24時間365日の取引のデメリット」という問いに切り込みます。そのうえで、各国の金融規制は必ずしも既得権益を擁護する社会的枠組みではなく、金融市場の健全に維持することを企図した結果としての社会的枠組みと言えるのでは?と問いかけます。

第3部「本人証明×金融/インセンティバイズ」(第18〜22回想定) では、トークンで渡せるもの・アカウントごとなら渡せるもの・絶対に渡せないけれど価値を生むもの、を分類します。本人証明やプライバシー、イーサリアムのアカウント抽象化、Verifiable CredentialやDIDといった道具立てで、トークンの世界をもっと豊かにしていく構想です。マネー一辺倒の社会が抱える格差の危うさ(ピケティの r>g)にも踏み込む、という予告もありました。

そして 第4部・実践編(第23回〜想定) は、ここまで理屈で組み立てた枠組みを携えて、「良いと思うプロジェクト/そうでないプロジェクト」を理由つきで紹介していく回です。ゲストを招いた回や、日々のニュース解説も構想しています。

会場との質疑応答

後半の質疑応答では、参加者から踏み込んだ質問が相次ぎました。

Q. ステーブルコインについての所感は?

酒井は「ステーブルコインはPMFしていないのではないか」という立場を示しました。会場からは「国際送金ではPMFしている(銀行送金で数千円かかる手数料が、ステーブルコインでは十数円で済む)」という意見も出ましたが、酒井は「“手元のステーブルコインをそのまま送る”場合はそうかもしれないが、現実には企業が保有する現地通貨をステーブルコインに替えて送金し、受け取った側が再び現地通貨に戻して仕入れや給与に充てる。その往復にかかる時間と手数料を含めると、総合的に大きく速く・安くなっているとは言えない」と述べ、国際送金についても懐疑的な見方を示しました。

内田も「現地通貨とステーブルコインの往復まで含めて、本当に速く安いのか。貿易決済は与信の要素が大きく、なお課題が残る」と述べました。

Q. トークンの内在価値を因数分解すると?

内田はマルクスのM-C-M’サイクルを引きながら、「マネーで測れない成分は複数あり、ビジネスデベロッパーがどのようなナラティブを与えるかが鍵になる」と述べました。

酒井は「上場意思のない多数の中小企業の株式(エクイティ)に、ヒントがあるのではないか」と応じました。

Q. 二人が唸るプロジェクトと必須要件は?

内田は「KYCをケースバイケースで使い分け、IDの概念を拡張して金融取引が可能になるトークン」に期待を示しました。

酒井は「ファウンダーやチーム、ユーザーが“何を解決したいのか”を明確に語れること。収益性だけでは不十分だ」と述べました。

収録終了後の交流会

収録終了後には交流会を行いました。会場では、多くの参加者がポッドキャストや当日の公開収録の内容について質問・議論を交わしたほか、自社事業に関する相談や、ブロックチェーンの事業への活用方法について話す参加者も見られました。参加者の大半はこれまでの配信をすべて聴いており、酒井・内田に対して各エピソードの感想や質問が数多く寄せられ、交流会は盛況のうちに終了しました。

交流会の様子

なお、公開収録イベントは今後も定期的な開催を予定しており、次回以降の参加もお待ちしております!

イベントの告知はこちらのHPか 公式X をご覧ください

公開収録の音声は、第1部終了後に配信予定です。

会場を提供していただいたStudio Bar Mo4caの詳細は こちら